薫風株式会社 代表取締役、有限会社 フローラ美工 代表取締役 片山恵理
BFRP バッチ財団登録プラクティショナー。
福岡県八女市星野村で国産ベチバーの蒸留を行う傍ら、バッチフラワー講師としての本質へ戻る活動も行う。
コロナの影響
2020年3月下旬に新型コロナの影響で東京に緊急事態宣言が発令され、それにつづき4月上旬には福岡県にも緊急事態宣言が出されました。
そうした影響により、今年度に予定していた蒸留会は事態の経過を見守っていた状況でしたが、今のところ全て開催中止となりました。
例年ですと、4月~11月まで1~3回/月を目途にベチバーの畑を皆様に見学していただき、蒸留も見ていただいています。旬のお野菜料理を堪能しながら古民家で、『自分の田舎に帰ったような時間を過ごす』そんな、リトリート蒸留会や植物療法の講座がご好評でした。
中にはスペシャル蒸留会と称して、2日間の植物学の先生と学ぶフィールドワーク・製剤つくり・蒸留後の染めなどを体験する「日本のハーブ」コースや、曹洞宗のご住職に学ぶ「10秒瞑想法」。
他にもアロマフランスの校長による、植物療法のメディシナル講座で3日間のハーブウォーター完全講座などもあり、皆様毎回唸るほど楽しんで美味しい料理に感動の連続。
「八女がやめられない・・・」と合言葉のように言ってくださいます。
ベチバーで繋がる人々
これも始まりは、私が植物療法のイロハを学んだ東京自由が丘のグリーンフラスコでの繋がりがきっかけになりました。
まだ、愛知県に居た頃、国産精油の修了過程を経てディプロマが発行される講座に通いました。その時の1期生の仲間の方々からの『国産精油であるベチバーを見に訪れたい』という要望から始まったのでした。
グリーンフラスコ認定J-aromaマイスター養成講座
(この講座を受講すると)「注目の国産精油に関する知識と実践法を体系的・効率的に身につけ、自由に使いこなせるようになります」「グリーンフラスコ認定J-aromaマイスターを目指す方には 認定試験がございます!」という内容がハッと目につき、受講したものでした。
着々とツアー計画を立てられたご一行様のお陰で現実となり、J-aroma講座仲間と当時の講師と関東圏のセラピストさんの4名が星野村のベチバーを訪れてくださいました。
その際にご案内した内容にプラスα、試行錯誤しながら現在のリトリート蒸留会となっております。
それは、ここに来てベチバーという植物に触れること、その力強いベチバーが育つ土地の風や水や太陽に包まれた、旬のお野菜の活力を戴く愉しみは他にはない感動があります。
その料理を作る仲良し4人組の、おちゃらけた、賑やかで、和やかな様子に人の温かみを感じ、それが思い出につながります。
遠くから里山へ足を運んでくださる方々へ、『お帰りなさい』という気持ちで接するおばちゃん達との交流などなど・・・
自然と会を重ねる毎に淘汰されてきているようで、お越しになられた皆様が自由にお持ち帰りになられるように私ども自体が臨機応変にファシリテートするような素敵な時間を過ごさせて戴いています。
知識を繋いでアウトプットする為に必要な感覚的な要素や、それを更に活かせる本来私たちが持ち合わせている根源的な感覚を思い出し、緩やかな時の流れに五感を解放してゆく場所。
そして溢れ出た感情は、バッチフラワーという植物療法によって調えながら1日を過ごし、必要な分をお持ち香り戴きます。
それは、心のクロージング。
開いた感情を、そのままにしないでバランス良く調えるセルフケアの方法です。
そうすることによって、必要なことに自ら気づく余裕が出来ます。
なかなか忙しく、気ぜわしい日常の中で調えるのは難しいのが現状です。それは自己研鑽やコントロールすることでは成せない、感情の部分へのアプローチとして在る、お花と水の療法です。
自然と心が解放される里の古民家。この場へ皆様をお迎えして、お手伝いさせて戴いているような気持ちでいます。
ベチバーのお土産は、非売品の減圧蒸留器で蒸留した濃厚な水と原料の対比が1対1のプレミアムハーブウォーター100ml。ご要望の方には非売品のベチバー苗1株、クラフトで作る櫨ロウバームやヒマワリのオイルのバームなど、その会によって旬の植物のテーマがあります。
オーガニックなのに、無添加で常温で1年保管可能な簡単手作りコスメなど。ベチバーの特性を活かした優れものが盛りだくさん。
どんな状況で来られてもきっと心配はありません。お1人でみえる方が多いのも特徴です。
今までの繋がりを活かして
これまでは開催予告もFacebookのみで、ほとんど口コミとリピーターの方のご利用で、延べ人数300人以上の方に来ていただいております。
そんな古民家は、これまでに類のない農泊プランが可能なのではないかと皆様にアドバイスをいただいています。今後は更に準備を進めて、私どもの「野の風」は、常時開店をするかたちで皆様のご都合の良い時に来ていただける体制づくりを、という願いをもっています。
どうしても個々人には限界がありますし、何よりご一緒する喜びを大切にしながらベチバーで繋がる人々と一緒に紡いで参りました。
これからなお一層、私の弟を始め、星野村の皆とも話し合い、八女市にも協力を仰ぎ、これまで応援してくださった方々にシェアして貰いながら、伝えたい想いと品を届けられるよう準備している真っ最中です。
ベチバーが教えてくれたこと「人の繋がり・・・無理のない双方向の歓びで繋がる可能性」。
それは物質的な利益重視の計画などでは成り立たないものです。
この可能性が相乗効果を生みだしながら、創り上げられる場。その素晴らしさを此処「星野村の古民家」から発信して参ります。とてもお伝えしずらいものですが、ご興味をもって何か感じて下さればそれは大きな可能性への入り口となると信じて私どもで出来る限りのお手伝いをしてゆくつもりです。
もっと知って欲しい本物たち
この里で体験することによって皆様が得られるものは大きいようで、その後も何度も足を運んでいただいています。私が、Instagramに八女「星野村便り」や「薫風便り」について投稿すると、それをご覧になった皆様が、瞬時に八女の里山へとへトリップしたような感覚になると仰っていただくのをお聞きし、私どもはしっかり安心をお届け出来ているのだなという気持ちになります。
何より、感覚で覚えたものは香りの思い出と同じで、瞬時に反射的に記憶が蘇るようで、そのような感覚は素敵な思い出とともにあって欲しいなぁと思います。
私どもは気を張ってご対応しているというわけではなく、いつも通りに愉しんでもらえたら嬉しいという思いでおりますので、その心持ちが皆さんに届き、よりリラックスしていただけているのかもしれません。
なぜなら、個人個人でご要望もその時の状況も違いますので、その方の必要なものが何かを知りたいという気持ちでいます。そしてなるべく自由にお話しいただけるように橋渡しのお役目をしているに過ぎません。
そのせいか、会にお越しになったお客様方同士で初対面だったのに、その場でお知り合いになられ、今も連絡を取り合ってらっしゃる方も多いのです。災害の時には直接連絡を取り合い、必要なものをお届け出来るように日頃の情報交換は「お互い様」の気持ちで活かされていきます。
そこには大きな負担はないように、「できることから始めよう、出来る範囲でお手伝い」そして継続的に必要に応じて、柔軟性をもって、形を成していきます。
この4年、お陰様で色んな繋がりが出来ました。勿論、私も全国にお知り合いが出来ていて様々な変化や出来事が起きますが、益々充実の毎日を未来への希望とともに過ごさせていただいています。
世界中に広がるネーミング
ベチバーという名前は、初めて聞いたときには、耳馴染みがないせいか何度か聞き直した記憶があります。
その学名が《Vetiveria zizanioides》というのも実家がはじめた蒸留の話から知りました。
調香師、アロマセラピストの方にはベチバーをご存知の方は多いのですが、日本では、ハーブとしては殆ど知られていなかったんですよね。
それはその名前が、国や使われる療法によって違うということもあって、同じものと知られずに存在していて、それぞれが分散しており、繋がっていなかったことが原因かとも思われるんです。
前回ご紹介したように学名もいくつかあり、それらを同定出来て初めて同じ植物といえるのも大変興味深い歴史を感じます。
【Vetiver講座でお伝えしている呼名などの例】
ヒンディー語 | カース |
サンスクリット語 | ウシーラ・ヴィーナラ |
日本 | べチバー・クスクスガヤ |
日本 仏教医学書 | べチバー・クスクスガヤ |
タミール語 | ヴェチバー 「まさかりで獲る」 |
ベンガル | ベナ草 |
各国共通 | 《学》Vetiveria zizanioides |
インド | 《学》Andoropogon squarosus |
インドネシア | アカルワンギ 「良い根の香り」 |
終息後にできること
コロナ禍を受けて、世界中が新しい生活様式の定着へ向けて模索を始めている中で、ここ星野村では、これまで実施してきたリトリート蒸留会を更にバージョンアップさせようと試みています。
感染症の拡大防止の観点から、関わる業種毎のガイドラインを遵守しつつ、個人向けに対応するプランへと変容させていく準備に取り組んでいます。
具体的には、御希望の日程でご予約頂き、最高2組、それぞれ5人までのプランを宿泊先別の3種のお宿で選んでもらえるものです。移動は、レンタカーもしくはタクシーのプランで八女市と連携して産業省や観光庁の補助を受けながら古民家を活かした農泊の心身回復処、滋養の場として整備しようと考えています。
以前、八女に阿蘇薬草園の薬草研究家の井澤敏先生がいらした際にこんな言葉をいただきました。
『ここは命の泉の湧くところ・・・色んな野草料理もできるね』と言われ、感動されました。
川砂のベチバー畑での小道は、私道なので人はほとんど通れない所です。
山からの湧き水が流れ、そこにクレソンやセリ、水草もあり、スイカズラ、レンゲ、カキドウシ、オオバコ、オオイヌノフグリ、ヤマブドウ、タデ、ニオイヒ、野苺、蛇苺、ツボクサ、イラクサ、クズ、ヨモギ、ネジバナ、アキノタムラソウ、キンミズヒキ、イヌタデ、ツユクサ、スイバ、カタバミ、カラスウリ、ヒガンバナ、ゲンノショウコ、シロツメグサ、タンポポ、スベリヒユ、センブリ、タムラソウ、ハコベホウズキ、ギボウシ、タンキリマメと季節毎にキリがないほど、、、道端にある小さな草花達。
山には多様な木々が群がり、そこに集まる虫や鳥や猪、生き物の循環が継続している里山の風景です。多様な生き物が共存している、生を成す場なのでしょう。
私たち人間も、そこで共存する生き物の1つとして畏敬の念を忘れ、独りよがりに振る舞っていては自然の本当の力を享受するのは不可能になります。
7年前に星野村でも起きたように、ここ何年も日本のどこかで前代未聞といわれる災害が毎年発生しています。川が氾濫し暴れた時、洪水になった時、災害に見舞われた時に人と人が助け合い繋がりあって行く様は暖かく、感謝が溢れ、感動さえありますが、そうならずとも気づき合える日常を取り戻したいとも思います。
その為に必要な、一歩を踏み出す。
そのきっかけの場として存在することを目指します。
もっと自然の声に耳を傾ける・・・。
余裕が持てるのはどんな状態なの・・・。
緊張を手放し、脱力するってどんな感じかなあ。
知識ではなく感覚のトコロで自身を調え、自己肯定感を上げる体験を農泊・グリーンツーリズムとして此処、星野村の「天地人風水火空識」よりお届けします。
準備が整い次第、皆さんにご案内が出来ると思いますので、ご興味のある方はその折にお知らせくださいませ。
リアルに御目にかかれる日を「野の風」一同、愉しみにしております。
薫風株式会社 片山恵理 リットリンク
https://lit.link/kumpu7737
片山恵理 のプロフィール
日立製作所を退職後結婚。夫の転勤にともない各地を点々とする中、3人の男児の出産をきっかけに植物療法を知る。植物療法に関する研鑚を積みながら、家族の健康維持、病気の予防について実践する日々を送る。
ハーブやバッチフラワーの研究と同時に、実家では並行してベチバーというアーユルヴェーダで使われる薬草のハーブを植栽し研究しており、国産の消臭アロマ製品化のアドバイザーとして3年前より関与。蒸留の責任者として八女に赴任し現在に至る。
現在、日本では福岡県の八女だけで蒸留しているベチバー。世界でも珍しい国産ベチバーを実際に見て、触れて、体感したいと各地から訪れる方々に向けて、見学ワークショップを開催している。
また、八女市星野村ではリトリート蒸留会を開き、良き日本の里山・自然空間を感じていただきながら、未病予防としてセルフケアのイドロラ、バッチフラワーを京都と福岡で講師としてお伝えしている。
アーユルヴェーダの薬草として、お釈迦様の経典にも記載されているベチバーを家族と親戚で土作りから蒸留、製品化。日常に簡単に取り入れられるハーブウォターを身体を調えるツールとして、幅広い業種、赤ちゃんからお年寄りまで禁忌なく毎日ご愛用頂けることを目指して活動を行なっている。
助産師さんのOEMなども製造、医療機関、ケアセンターへ納品し、自ら心身の健康に必要なモノを必要な方へお届している。
京都本社の薫風株式会社では、バッチ財団プラクティショナーとして植物療法を織り交ぜながら「清々しく生きるヒント」をお伝えする会として、また、高島屋、阪神、三越などの百貨店を初め東京アースデイやSDG’Sに深い理解を持ち、実践する企業としてもバッチフラワーレメディWS・「ベチバーの繋がるWS」各地で開催中。
薫風株式会社 代表取締役
有限会社 フローラ美工 クラシス事業部 マネージャー
BIEP バッチ国際教育プログラムレベル1
元・PTTコース認定講師(福岡県・京都府)
(英)BFRP バッチ財団登録プラクティショナー
JAMHA メディカルハーブセラピスト
アロマフランス認定 イドロラセラピスト
NPO法人日本ホリスティック医学協会専門会
ホリスティックヘルス塾インストラクター
NARD アロマアドバイザー
日本アーユルヴェーダ学会認定資格
アーユルヴェーダ・ヘルスケアアドバイザー
八女市古民家くらし研究会 https://hoshino-reborn.com/
Sa no Sa→ http://sanosa-japan.com